日本政府はUFO対策していない、閣議決定の背景を専門家が解説

どうなのか。本当なのか、日本人は信じていない人が多いと思います。

 政府は、27日の閣議で、「(UFOが)地球外から我が国に飛来した場合の対応について特段の検討を行っていない」とする答弁書を決定した。これは、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員が提出していた、2016年の安全保障関連法(安保法案)に関連する質問主意書に対する回答である。政府は2007年にも「(UFOの)存在を確認していない」という公式見解を示していた。

■日本がUFO対策をできない意外な理由

 UFO研究に大量の予算を投入していると言われている米国などと比べ、なんとも頼りない回答ではないだろうか……。かつて、自民党の町村信孝元官房長官、石破茂元防衛相、麻生太郎財務相らが、「UFOはいると思う」と公言しているにもかかわらず、なぜ、政府はUFO対策を全くしていないのだろうか? 国防に詳しいX氏に話を聞いた。

「まずUFOには2つのカテゴリーがあることを確認しておきましょう。1つは、未確認飛行物体(UFO)、もう1つは宇宙人の乗った宇宙船です。前者は中国の新兵器や戦闘機などであっても、それが何であるか確認されなければ、UFOと言われます。これの実在はもちろん認められています。しかし、後者に関しては、公式には確認されていません。2007年の政府公式見解も後者の意味でのUFOの存在を確認していない、ということです。

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 さて、ここから国防にかかわる問題になります。ご存知のように、日本の基本的軍事戦略は憲法9条に制約された「専守防衛」です。専守防衛では、相手の攻撃を受けて初めて、防衛のために軍事力を行使することが理想とされています。そのため、予想に基づいた軍事的対策は自衛権の範囲を逸脱するため、認められていません。存在が認められていないUFO(宇宙船)に対して、事前の対策することは憲法上できないのです。

 ここら辺の事情が、UFO対策をしているアメリカ、イギリス、ロシア、イスラエル、中国とは違うのです。これらの国では、まだいない敵を想定し対策をたてることができるからです。そもそも、日本が特殊ケースであって、国防や安全保障は潜在的な敵を想定し、対策することにあります。攻撃されてから準備しても遅いのは自明です。

 ですから、『想定外の想定』(ハリス米太平洋軍司令官)を日本政府に要求するならば、憲法9条を改正し、専守防衛を破棄することが望ましいと思います。逢坂議員が本当に宇宙人侵略を危惧しているならば、まずは憲法9条の改正に賛成したらどうでしょう」

■UFO対策ができない実務上の理由

「ここまでは、日本政府がUFO対策をしない(できない)法制度上の問題です。今回の閣議決定の真意は以上ですが、ここで、実務上の問題を指摘しておきましょう。

 この手の話題に対して防衛の専門家がよく口にするのは、相手の兵器が分からなければ、対策も立てられない、ということです。たとえば、高熱や放射能をエネルギー源にする宇宙人がいたとしたら、核兵器は効果を発揮しません。敵を知らない限り、対策しようがないのです。アメリカのCIAやイギリスの国防省が、秘密裏にUFOファイルを作成していたのも、得体の知れない敵を知るためです」

■宇宙人が日本を攻撃したらどうなる?

 日本政府がUFO対策をできない理由には、憲法上の問題と実務上の問題の2つがあるとのことだ。ここでも憲法9条が足枷になっているとは驚きである。もし、憲法改正がなされず、現状のまま宇宙人の攻撃を受けたら、日本はどうなってしまうのだろうか?

「専守防衛を保持したまま、宇宙人の攻撃を受けた場合を考えてみましょう。先ほども申し上げたとおり、専守防衛では相手の攻撃を受けて初めて反撃できます。これは宇宙人からの攻撃であっても変わりません。一撃目は甘んじて受けるしかないのです。そこで緊急性が認められれば、自衛隊の防衛出動が要請されます。この辺の事情は映画『シン・ゴジラ』で、見事に描かれていましたね」

 つまり、『シン・ゴジラ』の世界そのまま、ゴジラが宇宙人に取って代わった状況が現実に繰り広げられるということだ。大きな被害や犠牲者が出なければ、武力行使不可能な日本の現状、本当にそれでいいのだろうか? 今後、UFOの存在が憲法改正を促す建設的な議論となることを期待したい。

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