紀元前500年前のものか、「ナスカの地上絵」が50個以上発見

神秘

ナスカの謎がさらに深まる

ペルー・ナスカで新たな地上絵が発見された。その数はなんと50個以上、しかもこれまでに発見されている地上絵より古い時代に描かれたものだというから驚きだ。

ペルー南部の乾燥地帯に広がるナスカ平原で、考古学者たちが新たに50個以上の地上絵を発見しました。これらの地上絵は、紀元前500年頃に描かれたものと推定されています。新たな発見により、ナスカ文化の謎がさらに深まるとともに、その芸術性と技術の高さに再び注目が集まっています。

発見の経緯

今回の発見は、最新のドローン技術と衛星画像解析を用いた調査によるものです。ナスカ文化を専門とする研究チームが、広範囲にわたる調査を実施し、これまで未発見だった地上絵の存在を明らかにしました。

ペルー南部の乾燥した高原地帯に残る世界遺産「ナスカとパルパの地上絵」。巨大な地上絵は空から眺めない限り全体の把握が困難なほどだが、最近ではドローンを使った考古学調査が進んでいる。

新たに発見された地上絵の特徴

そんな中、大きな発見があった。パルパの砂漠に埋もれていた新たな地上絵が50個も見つかり、しかもそれらは紀元前500年~西暦200年ごろに作られたのだという。これまで発見された地上絵は西暦200~700年ごろに作られたと考えられており、今回の地上絵を作り上げたのはよく知られた地上絵を描いたナスカ文化の前、この地に栄えていたパラカス文化の時代の人々と見られる。      これにより、ナスカ文化の芸術的表現や信仰、生活習慣についての新たな手がかりが得られる可能性があります。

ナスカ文化の謎

ナスカの地上絵は、その規模と精緻さから古代の技術力の高さを示していますが、なぜこれらの地上絵が描かれたのか、その目的については今なお謎に包まれています。今回の発見が、ナスカ文化の宗教的儀式や天文学的知識、あるいは農業や水の管理に関する新たな理解を提供することが期待されています。

また、今回は地元では知られていたものの正式な調査がこれまで行われていなかった地上絵も調査された。今回調査された地上絵の特徴は山の斜面に描かれているためふもとから見ることができること、そして人間の姿が描かれていることだ。発見チームの一人である考古学者ルイス・ハイメ・カスティーヨ・バターズ氏によれば、ナスカの地上絵といえば幾何学模様や多角形などの図形が多く見られるが、新たに発見された地上絵の多くは戦士の姿を描いているという。これらの地上絵がどのような目的で作られたのかは不明だが、ナスカ文明の地上絵の前段階としても重要な遺跡なのは間違いない。

今後の調査と保存活動

研究チームは、これらの新たな地上絵の詳細な分析を進めるとともに、ナスカ平原全体のさらなる調査を計画しています。また、ペルー政府と協力し、これらの貴重な文化遺産の保存と保護に向けた取り組みを強化する予定です。

ナスカの地上絵は、1985年にユネスコの世界遺産に登録されており、今回の発見はその価値をさらに高めるものとなります。これからも、ナスカ文化の謎解きは続き、歴史の新たな一面が明らかになることが期待されます。

皮肉なことに、今回の発見のきっかけは近年多発する地上絵の破壊なのだという。ペルー政府に登録された地上絵は手厚く保護されるものの、この地区にはまだまだ発見、調査されていない地上絵が多数残っている。ペルー文化庁の考古学者ジョニー・イスラ氏らによれば、ペルーには10万もの遺跡があるが、そのうち調査されているのはたった5000箇所に過ぎないのだそうだ。

土地開発や自動車等の進入で地上絵が破壊される事件は後を立たず、ドローンや衛星を使った最新鋭の調査と地上絵の登録作業が急がれている。米国の宇宙考古学者サラ・パーカックは昨年、衛星画像から遺跡を発見する市民参加型プロジェクト「GlobalXplorer」を立ち上げた。このプロジェクトの最初のターゲットがペルーであり、今回の発見もその成果の一つである。

悲しいことだが、地上絵の最大の敵はペルーでも活発になりつつある住宅地や農場の建設だという。そして、遺跡を守ろうとする者たちの最大の敵は弁護士なのだそうだ。歴史のロマンと神秘のつまった地上絵を守るための戦いは始まったばかりだ。


まとめ

紀元前500年頃のものとされるナスカの地上絵が新たに50個以上発見されたことで、ナスカ文化への関心が再び高まっています。これからの調査によって、さらに多くの謎が解明されることが期待されており、ナスカ平原の地上絵は今後も世界中の研究者や愛好者を魅了し続けることでしょう。

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