シベリアを目指すハクチョウの北帰行:渡り鳥たちの驚くべき能力

「北帰行」という言葉をご存知ですか?あまり辞書には載っていませんが、「ほっきこう」と読み、渡り鳥が温暖な地域で過ごした冬を終え、繁殖地である北へ戻ることを指します。「鳥帰る」や「白鳥帰る」といった春の季語も、北帰行に近い意味を持っています。

冬の季語である「白鳥」が日本に飛来するのは、主に冬です。毎年2月下旬ごろから、コハクチョウやオオハクチョウがシベリアへと戻る準備を始めます。この時期に渡り鳥の魅力について詳しく見ていきましょう。

ハクチョウはカモの仲間!

意外かもしれませんが、ハクチョウはカモ科の水鳥で、カモの仲間です。日本で見られるコハクチョウとオオハクチョウは名前のとおり大きさが異なり、オスの場合でそれぞれ全長120~150cm、140~165cmです。また、くちばしの模様や鳴き声にも違いがあります。

ハクチョウの仲間には黒い鳥、コクチョウもいます。全身が黒く、翼の先だけが白いのが特徴です。

秋から冬に飛来する「冬鳥」

ハクチョウは渡り鳥の一種で、季節ごとに生息地を変えます。春から夏に日本に飛来する「夏鳥」、秋から冬にかけて飛来する「冬鳥」、そして途中に日本に立ち寄る「旅鳥」と分類されます。ハクチョウは冬鳥で、11月下旬から3月ごろまで日本に滞在します。北海道の風蓮湖、新潟県の瓢湖、宮城県の伊豆沼などが飛来地として有名です。2月下旬から3月にかけて、ハクチョウたちはシベリアへ向かいます。

渡り鳥の驚くべき飛行能力

渡り鳥が飛ぶ距離はどのくらいでしょうか?体の大きな鳥よりも小さな鳥の方が長距離を飛べることが多いです。ハクチョウやツルは2000~3000km、アジサシの仲間は1万kmを飛ぶことができます。オオソリハシシギはアラスカからニュージーランドまで1万2000km以上を11日間ノンストップで飛行したことが確認されており、これが最長記録です。

渡り鳥の飛行ナビゲーション

渡り鳥は「太陽の位置」「星座の位置」「地球の磁場」を頼りに飛行するとされています。日中に渡る鳥は太陽の位置を見て方角を判断し、夜に渡る鳥は星座の位置を見ます。地球の磁場も利用し、体内に方位磁針のような機能を持っていると考えられています。

渡り鳥は春の訪れを知らせる

「鳥帰る」や「白鳥帰る」は春の季語です。まだ寒い日が続いていますが、北帰行は春の訪れを教えてくれます。渡り鳥たちの驚くべき能力に思いを馳せながら、春の訪れを楽しみに待ちましょう。

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