夏になると心配な「熱中症」。日本の蒸し暑い夏では、食欲が減る人も多いですが、実際には大量の汗をかき、エネルギーや体力が消耗されています。この記事では、熱中症になりやすい食習慣と、予防・回復を助ける食事や栄養素、おすすめの食べ物について詳しく説明します。コンビニで手に入る便利な食材も紹介しますので、参考にしてください。
熱中症になりやすい食習慣
- 朝食を食べない 朝食は一日のエネルギー源。脳のエネルギーが不足すると、体は熱中症に対抗できません。朝食をしっかり摂りましょう。
- お酒の飲み過ぎ 過度の飲酒は免疫力を低下させ、熱中症のリスクを高めます。飲酒は適度に。
- カフェイン飲料の過剰摂取 コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは利尿作用があり、脱水状態を引き起こします。水やカフェインを含まない飲み物を選びましょう。
- 野菜や果物を摂らない ビタミンやミネラルが不足すると、熱中症のリスクが高まります。食物繊維が豊富な野菜や果物を積極的に摂りましょう。
- 加工食品の摂り過ぎ コンビニ弁当や冷凍食品は、ミネラルが不足しがちです。栄養バランスを考えて食事を選びましょう。
- 外食の頻度が高い 栄養バランスが偏る外食は、熱中症のリスクを高めます。主食・主菜・副菜を揃えた食事を心がけましょう。
熱中症予防のための食事のポイント
夏は食欲が落ちやすくなりますが、栄養バランスの取れた食事と水分補給が重要です。一日3食、主食・主菜・副菜を揃えましょう。
- 主食:ご飯、麺類、パンなど
- 主菜:肉、魚、卵、豆、大豆製品など
- 副菜:野菜、海藻、きのこなど
牛乳や乳製品、フルーツも適度に摂ることでビタミンとミネラルを補えます。水分と塩分の補給には味噌汁やスープが有効です。
夏に積極的に摂りたい栄養素と食べ物
- 良質なタンパク質:肉類、魚介類、卵など
- ビタミンB1:豚肉、ゴマ、マイタケ、ピーナツ、うなぎ、エンドウ豆など
- ビタミンC:アセロラ、焼きのり、カラーピーマン、レモン、キウイフルーツ、柿など
- クエン酸:レモン、梅干し、ドライトマト、ドライマンゴーなど
- ミネラル:野菜、海藻、フルーツなど
- 塩分:梅干し、味噌汁、塩昆布など
コンビニで買える熱中症対策におすすめの食べ物
- 経口補水液・スポーツドリンク:水分と塩分を補給
- ミネラルウォーター:ミネラル補給に
- 天然塩:少量舐めたり料理に使用
- ひじき煮:ミネラル豊富
- フルーツ:ビタミン・ミネラル補給
- ロックアイス(氷):冷たい飲み物やクーリングに
- 塩飴・塩タブレット:手軽に塩分補給
万が一熱中症になったら
まずは水分と塩分を補給。経口補水液やスポーツドリンクが効果的です。食事は体が受け付けるようになってから、栄養バランスを考えて摂りましょう。もし症状が重い場合は、早急に医療機関を受診してください。
夏を健康に過ごすために、日常の食事と水分補給を見直してみてください。
■冬に飲む“甘酒”が熱中症予防に!?
「甘酒もオススメです。甘酒は冬に飲むイメージですが、実は江戸時代から熱中症予防のための飲み物として親しまれたそうです。甘酒はビタミンB群、アミノ酸、オリゴ糖などを含み、『飲む点滴』と言われるほど栄養価が豊富です。最近はコンビニでもそのまま飲めるストレートタイプの甘酒や、冷やして飲む甘酒が購入できます。そのまま飲んでもおいしいですし、豆乳と氷で割ったり、ヨーグルトに加えたり、爽やかなアレンジをしてもおいしいですよ」
なんと、甘酒が熱中症予防になるとは知らなかった。アレンジ次第では、自分好みの味も見つけられるかもしれない。飲み物として、デザートとして、活用してみては?
■熱中症後に体力をつけたいなら“冷しゃぶ”!
ここまでは熱中症予防につながる飲み物、食べ物の紹介だった。たとえば、もし熱中症になってしまったとして、体力をつけるにはどんな食べ物がオススメだろうか?
「もしも熱中症っぽい?という場合は、食欲があるようなら冷しゃぶがオススメです。豚肉に含まれるビタミンB1は別名で『疲労回復ビタミン』とも言われ、糖質をエネルギーに変える酵素をサポートします。豚肉には、鶏肉の10倍ものビタミンB1が含まれています。スタミナをつけたかったら豚肉料理ですね。冷しゃぶはレタス、トマト、焼き茄子、大葉などと一緒に食べれば彩りが良くなり、ビタミンや食物繊維も摂れます。タレはポン酢にたっぷりの刻みねぎ、胡麻などを加えてはいかがでしょうか。ねぎに含まれるアリシンという成分は、ビタミンB1の体内吸収を助けてくれます。また、豆板醤(トウバンジャン)をちょい足しすると、ピリ辛で食欲が増しますよ」
いかがだっただろうか? 夏バテ気味で食欲がなくなりがちのみなさんも、ぜひ熱中症予防に役立つ飲み物、食べ物を活用してみてほしいですね。